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レベニューシェアとは。
受託開発との違いと、
契約で決めること。

既製品ではなく、御社のやり方に合わせて1から作る、自社専用のシステム(スクラッチ開発)です。

開発の費用を先に払い切る代わりに、生まれた売上を分け合う。レベニューシェアの意味と、受託開発や成果報酬との違い、組む前に決めておくことを整理します。

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01 — Answer

レベニューシェアとは

レベニューシェアとは、システムやサービスから生まれた売上(レベニュー)を、作る側と事業を持つ側があらかじめ決めた基準で分け合う取引の形です。ふつうの受託開発では、発注する企業が開発の費用を払い、できあがったシステムを受け取ります。レベニューシェアでは、作る側も初めの費用やリスクの一部を負い、その代わりに、サービスが動き出した後の売上から取り分を受け取ります。発注する側は始めるときの負担を抑えやすく、作る側は売上が伸びれば取り分も増えます。反対に、売上が出なければ双方とも思ったように回収できません。新しい事業を、作る側と同じ船に乗って始める取引と言い換えると分かりやすくなります。

02 — Point

レベニューシェアと受託開発、成果報酬の違い

システム開発の取引は、民法の契約の型でいうと、請負と準委任に分けて整理されることが多くあります。民法第632条は、請負を、仕事の完成を約束し、その結果に対して報酬を払う契約と定めています。準委任は、法律行為でない事務の委託で(第656条)、作業そのものを引き受ける形です。2020年4月施行の改正民法では、委任の事務で得られた成果に対して報酬を払う約束をした場合の決まり(第648条の2)も置かれました。

情報処理推進機構(IPA)が公開している「情報システム・モデル取引・契約書」の第二版(2020年12月22日公開)でも、請負と準委任の報酬や、成果報酬型の準委任契約の位置づけが見直しの論点として扱われています。

レベニューシェアは、これらの型の上に「売上を分け合う」という支払い方を組み合わせる取り決めです。どの型を下敷きにするかで、完成の責任や途中でやめた場合の扱いが変わるので、契約書でははっきり書き分けます。

取引の形支払いの考え方向いている場面
受託開発(請負)決めたシステムの完成に対して、決めた額を払う作るものと範囲がはっきり決まっている
受託開発(準委任)作業した時間や体制に対して払う作りながら中身を決めていく、改善を続ける
成果報酬決めた成果(件数や達成した状態)が出たときに払う成果の物差しが一つに決めやすい
レベニューシェアサービスが生んだ売上を、決めた基準で継続して分け合う新しい事業で、売上が立つまで先が読みにくい

03 — Detail

売上シェアと利益シェアの違い

分け合う元を売上にするか、利益にするかで、取り決めの性格が変わります。売上を分ける形をレベニューシェア、利益を分ける形をプロフィットシェアと呼び分けることもあります。

売上シェアは、数字が分かりやすく、確かめやすいのが長所です。その代わり、広告費や運営の費用がかさんでも分配は変わらないため、費用を負う側の負担が重くなることがあります。

利益シェアは、費用を差し引いた後で分けるので、費用の負担が公平になりやすい形です。その一方で、どこまでを費用に入れるかで利益の額が変わるため、費用の範囲と計算の仕方を細かく決めておかないと、後から揉める原因になります。

初めて組む相手とは、確かめやすい売上シェアから始め、事業の形が見えてから見直す、という進め方もあります。

04 — Know-how

レベニューシェアのメリットとデメリット

レベニューシェアは、発注する側と作る側で、得るものと負うものが違います。組む前に、双方の立場から見ておきます。

立場メリットデメリット
発注する側(事業を持つ側)始めるときの費用を抑えやすい。作る側も売上を伸ばす方向に動いてくれる売上が伸びるほど払う額も増え、長い目で見ると受託開発より多く払うことがある。作ったものの権利が自社だけのものにならない場合がある
作る側(開発する側)売上が伸びれば、受託開発の報酬を超える取り分を得られることがある。事業に長く関われる売上が出なければ、かけた費用を回収できない。相手の事業の進め方に左右される

05 — Check

レベニューシェアの契約で決めること

レベニューシェアは、取引が何年も続くことが前提になるため、始める前の取り決めが受託開発より多くなります。次の項目は、少なくとも書面で決めておきます。

売上の計上の仕方や税金の扱いは、取引の形によって変わることがあります。契約を結ぶ前に、双方の顧問の税理士や会計士に確認しておくと安心です。

  • 分配の基準売上か利益か。売上なら、返金や値引き、決済の手数料を差し引くかどうか。利益なら、どの費用を差し引くか。
  • 分配の割合と見直し割合をどう決めるかと、事業の規模が変わったときに見直す時期と方法。
  • 期間分配を続ける期間と、終わった後にシステムやサービスをどう扱うか。
  • 費用の負担初めの開発、サーバーなどの運用、保守、機能の追加、広告や販促の費用を、それぞれどちらが負うか。
  • 知的財産作ったシステムの著作権をどちらが持つか。著作権法第61条第2項では、著作権を譲る契約で翻案などの権利(第27条、第28条)が書かれていないと、譲った側に残ると推定されるため、譲るなら明記します。
  • 売上の報告と確認売上をいつ、どの資料で報告するか。必要なときに帳簿や管理画面を確かめられるか。
  • 撤退と終了の条件売上が一定の期間伸びない場合や、どちらかがやめたい場合の手順。そのときのシステムやお客さまの情報の扱い。
  • 秘密の保持互いの事業の数字やお客さまの情報の扱い。詳しくは秘密保持契約とはで説明しています。

06 — More

自動車業界のレベニューシェアと日本カーネット

自動車業界でも、レベニューシェアが合いやすい場面があります。たとえば、業界の外の企業が暮らしや車に関わるサービスを持っていて、それを整備工場や販売店の業務の中で案内できる形にしたい場合です。受付や見積もりの画面からそのサービスに申し込めるシステムを作り、申込みから生まれた売上を、サービスを持つ企業と、仕組みを作って運営する側とで分け合う、という組み方が考えられます。

部品商が取引先の整備工場向けに注文や在庫確認の仕組みを用意し、その利用から生まれた売上を、開発する側と分け合う、という形もあります。どちらの例でも、売上が立つまでの期間が読みにくい新しい事業ほど、初めの費用を双方で分け合う意味が大きくなります。

日本カーネットは、自動車業界向けのシステム開発を20年以上続け、設計と開発を社内で行っています。日本カーネットでは、レベニューシェアでの提携のご相談もお受けしています。組み方はご相談の内容によって変わるため、まずは企業様マッチングから、始めたい事業の構想をお聞かせください。

FAQ

レベニューシェアとはのよくある質問

レベニューシェアとプロフィットシェアの違いは何ですか?

レベニューシェアは売上を分け合う形、プロフィットシェアは費用を差し引いた後の利益を分け合う形を指して使われることが多い言葉です。売上は確かめやすく、利益は費用の負担が公平になりやすい、という違いがあります。

レベニューシェアと成果報酬は同じですか?

似ていますが、同じではありません。成果報酬は、決めた成果が出たときに報酬を払う形です。レベニューシェアは、サービスが生んだ売上を、期間を通じて決めた基準で分け合い続ける形です。

レベニューシェアの分配の割合に相場はありますか?

決まった相場はありません。どちらがどの費用を負うか、誰が売るか、期間をどうするかで、割合は大きく変わります。割合だけで比べず、費用の負担と役割をそろえてから話し合います。

レベニューシェアで作ったシステムの権利は誰のものになりますか?

契約で決めた内容によります。決めていないと、作った側に著作権が残るのが原則です。事業を持つ側が使い続けたい場合や、終了後の扱いを決めたい場合は、権利の帰属と利用の範囲を契約書に書いておきます。

途中でやめたくなったらどうなりますか?

契約で決めた撤退や終了の条件に従います。条件を決めていないと、システムやお客さまの情報の扱いで揉めやすくなります。始める前に、やめるときの手順まで決めておきます。

日本カーネットにレベニューシェアで開発を相談できますか?

ご相談いただけます。組み方や条件はご相談の内容によって変わるため、始めたい事業の構想と、自社で負える役割をお聞かせください。

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Sources

出典

民法(明治二十九年法律第八十九号)第632条(請負)、第648条の2(成果等に対する報酬)、第656条(準委任)(e-Gov法令検索):https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089
情報システム・モデル取引・契約書(第二版)(独立行政法人 情報処理推進機構、2020年12月22日公開):https://www.ipa.go.jp/digital/model/model20201222.html
著作権法(昭和四十五年法律第四十八号)第61条(著作権の譲渡)(e-Gov法令検索):https://laws.e-gov.go.jp/law/345AC0000000048

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