
GUIDE / 業務提携とは
業務提携とは。
種類と契約書の項目、
進めるときの注意点。
既製品ではなく、御社のやり方に合わせて1から作る、自社専用のシステム(スクラッチ開発)です。
資本を動かさずに、業務を分け合って組む。業務提携の種類と、契約書に何を書けばよいかを、公正取引委員会の資料をもとに整理します。
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01 — Answer
業務提携とは
業務提携とは、複数の企業が、出資や合併をせずに、販売、生産、物流、研究開発などの特定の業務について契約を結び、分担して協力することです。資本提携と違って株式は動かさないため、比較的早く始められ、契約期間の満了などで見直しやすいのが特徴です。公正取引委員会の競争政策研究センターが2019年7月に公表した「業務提携に関する検討会」報告書は、業務提携を生産提携、販売提携、購入提携、物流提携、研究開発提携、技術提携、標準化提携の7つの類型に分けて考え方を整理しています。同じ報告書は、業務提携の多くは競争を促す効果が期待される一方、形によっては競争を制限する場合もあると述べています。契約書で役割と情報の扱いを決めておくことが、提携を長く続ける土台になります。
02 — Point
業務提携の種類
公正取引委員会の報告書の7類型を、業務の中身と、気をつけたい点に分けてまとめました。実際の提携では、いくつかの類型を組み合わせることもよくあります。
自動車業界に当てはめると、整備工場と部品商が仕入れをまとめるのは購入提携、販売店が業界の外の企業の商品を案内するのは販売提携に近い形です。名前を当てはめておくと、どの点に気をつければよいかを報告書で引きやすくなります。
| 類型 | 中身の例 | 気をつけたい点 |
|---|---|---|
| 生産提携 | 製造の一部を相手に任せる、共同で生産する | 原価や数量の情報が販売部門に流れないようにする |
| 販売提携 | 相手の商品を自社の販路で売る、共同で販売する | 競合どうしで販売価格を決めると問題になりやすい |
| 購入提携 | 原材料や部品をまとめて仕入れる | 市場で大きな割合を占める場合に注意が要る |
| 物流提携 | 配送や保管を共同で行う | 販売先や数量の情報の扱いを分ける |
| 研究開発提携 | 新しい製品や技術を共同で開発する | 成果の権利の帰属と、参加の制限の仕方 |
| 技術提携 | 特許やノウハウの使用を認め合う | 技術を使った製品の価格や使い道を縛りすぎない |
| 標準化提携 | 業界で共通の規格を一緒に決める | 参加を不当に断らない、規格を必要以上に広げない |
03 — Detail
業務提携契約書で決める主な項目
業務提携契約書は、組む目的と役割の分担を文書にしたものです。口約束で始めると、うまくいったときほど成果の取り分で揉めます。最低限、次の項目は書面にしておきます。
交渉の段階で秘密保持契約を別に結んでいる場合は、業務提携契約書の中でその契約との関係を明記しておきます。経済産業省の「秘密情報の保護ハンドブック」も、それぞれが何に関する秘密保持の取り決めなのかを明確にしておくことが有効だとしています。契約書の文言は、内容に応じて弁護士などの専門家に確認してもらってください。
- 目的と対象の業務何のために、どの業務で組むのか。範囲が曖昧だと、相手の期待とずれます。
- 役割と費用の分担誰が何を受け持ち、費用をどう負担し、売上をどう分けるのか。
- 成果物と知的財産共同で作った商品、システム、データ、ノウハウが誰のものになるのか。
- 秘密保持受け取った情報を提携の目的以外に使わないこと、終了時の返還や消去。
- 競合する取引の扱い同じ分野で他社と組むことを制限するのか。制限するなら範囲と期間。
- 期間、解約、終了後の扱い契約の期間と更新、途中で解約できる条件、終了後の顧客や在庫の扱い。
04 — Know-how
業務提携の進め方と独占禁止法上の注意点
進め方は、目的を決める、相手を探す、秘密保持契約を結んで条件を話し合う、小さく試す、契約を結ぶ、の順が基本です。試す段階で数字を取っておくと、契約で費用や売上の分け方を決めるときの根拠になります。
競争相手どうしが組む場合は、独占禁止法の観点を外せません。公正取引委員会の報告書は、提携の実施に必要な範囲に情報の交換を限り、部門の間の情報の遮断やアクセスの制限といった措置をとることを対策の例として挙げています。また、提携に伴う取り決めの中で問題になりうる行為として、一方の当事者に不当に不利益を与えること、相手の事業活動を不当に縛ること、提携の当事者どうしで販売価格や販売地域、販売先を取り決めることを挙げています。
共同で研究開発をする場合について、公正取引委員会の報告書は、共同研究開発ガイドラインの考え方として、当事者の製品市場でのシェアの合計が20%以下で行う製品の改良や代替品の開発は、通常は問題とならないと紹介しています。中小企業どうしの提携で心配しすぎる必要はありませんが、業界で大きな割合を占める企業と組む場合は、公正取引委員会の資料や専門家で確かめてから進めます。
取引先と組む縦の提携でも、相手の立場が弱いと、条件が片寄りがちです。どちらか一方だけが得をする契約は、長く続きません。互いに得るものを書き出して確かめ合うことが、結局は近道になります。
05 — Check
自動車業界の業務提携と日本カーネット
自動車業界では、販売店と整備工場が車検や点検を受け渡す、部品商と整備工場が仕入れの仕組みをつなぐ、業界の外の企業が保証や決済のサービスを整備工場や販売店を通じて届ける、といった業務提携が行われています。どれも、片方の業務の流れにもう片方のサービスを組み込めるかどうかで、使われ方が変わります。
今の事業の柱が1本だけでは、時代の変化に対応しきれなくなるおそれがあります。新しい柱を立てるときに、専門外の分野を1社だけで抱えるより、業務提携で相手の強みを借りるほうが、スピードと費用を抑えて始められます。
日本カーネットは、自動車業界向けのシステムを20年以上開発してきた会社です。提携の相手探しから、提携を動かすためのシステム、たとえば申込みの情報を相手のサービスに自動で渡す仕組みの開発まで、ビジネスマッチング・共創として一緒に進めています。
FAQ
業務提携とはのよくある質問
業務提携と資本提携の違いは何ですか?
業務提携は、株式を動かさずに業務の分担を契約で決める提携です。資本提携は、相手の株式を持つ、互いに持ち合うなど、出資を伴う提携です。資本提携のほうが結びつきは強く、解消するときの手間も大きくなります。
業務提携と業務委託の違いは何ですか?
業務委託は、発注者が仕事を任せて対価を払う関係です。業務提携は、双方が役割を分け合い、得られた成果をそれぞれが受け取る協力の関係を指します。実際の契約では、提携の中に委託の取り決めが含まれることもあります。
業務提携契約書のひな形はありますか?
提携の形によって書く内容が大きく変わるため、使い回せるひな形は限られます。交渉段階の秘密保持契約については、経済産業省の「秘密情報の保護ハンドブック」に参考例が載っています。最終的な文言は専門家に確認してもらうのが安心です。
業務提携に印紙は要りますか?
契約書の内容によって判断が変わります。課税文書に当たるかどうかは、国税庁の案内で確かめるか、税理士に確認してください。
業務提携を途中でやめられますか?
契約書に定めた解約の条件に従います。組む前に、途中で解約できる場合と、終了後の顧客や成果物の扱いを決めておくと、やめるときに揉めにくくなります。
自動車業界の企業との業務提携を相談できますか?
できます。日本カーネットは、自動車業界の企業やサービスと御社の事業をつなぐマッチングと、提携を動かすシステムの開発に取り組んでいます。アイデアの段階からご相談ください。
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Sources
出典
「業務提携に関する検討会」報告書について(公正取引委員会 競争政策研究センター、2019年7月10日):https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2019/jul/190710.html
「業務提携に関する検討会」報告書(概要)(公正取引委員会):https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2019/jul/20190710gyoumuteikei/20190710_3.pdf
秘密情報の保護ハンドブック(経済産業省、最終改訂 令和6年2月):https://www.meti.go.jp/policy/economy/chizai/chiteki/trade-secret.html
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