
GUIDE / 共創とは
共創とは。
意味と協業との違い、
共創の進め方。
既製品ではなく、御社のやり方に合わせて1から作る、自社専用のシステム(スクラッチ開発)です。
共創は、作る側と使う側、得意分野の違う企業どうしが、一緒に新しい価値をつくる取り組みです。言葉の意味から、自動車業界での形、進め方までを整理します。
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01 — Answer
共創とは
共創とは、企業が顧客や取引先、ほかの業種の企業などと一緒に、新しい価値を生み出すことです。英語のco-creationの訳語として使われ、2004年にC.K.プラハラードとベンカト・ラマスワミが著書『The Future of Competition』で、顧客と企業が共に価値をつくるという考え方を示したことで広く知られるようになりました。作る側が考えた商品を一方的に届けるやり方に対し、共創では、使う側の声や立場の違う相手の知恵を最初から取り込みながら、商品やサービス、ときには事業そのものを形にしていきます。今は顧客との共創に加えて、得意分野の違う企業どうしが組んで新しい事業をつくる場面でも、この言葉がよく使われます。
02 — Point
共創の2つのかたち
共創という言葉は、誰と一緒につくるかで大きく2つに分かれます。話している相手がどちらの意味で使っているかを確かめておくと、打ち合わせがかみ合いやすくなります。
どちらのかたちでも、相手を「意見を聞く先」や「発注する先」として扱うと共創になりません。企画の段階から相手が加わり、できあがったものの価値を一緒に確かめるところまで関わるのが、共創らしさです。
- 顧客との共創お客さまに企画や試作の段階から加わってもらい、使う人の目で商品やサービスを形にしていく。整備工場が常連のお客さまに試してもらいながら、予約や車検案内のやり方を決めていく、といった取り組みです。
- 企業どうしの共創技術、販路、顧客の基盤、業界の知識など、持っているものの違う企業が組み、1社では作れない事業やサービスを生み出す。業界の外の企業が自動車業界の企業と組んで、新しいサービスを業界に届けるのがこの形です。
03 — Detail
共創と協業、協創の違い
共創と似た言葉に、協業、協創、オープンイノベーションがあります。重なる部分が大きく、使い分けは会社によってまちまちですが、どこに目が向いているかで分けると整理しやすくなります。
協業と提携の違いまで含めた整理は、協業とはのコラムでも説明しています。社外向けの資料では、一つの言葉に決めて使い続けるほうが、相手に意図が伝わります。
| 言葉 | 目が向いているところ | 使われる場面の例 |
|---|---|---|
| 共創 | 相手と一緒に、まだ無い価値を生み出すこと | お客さまや他業種の企業と、新しいサービスを企画する |
| 協創 | 読みは同じで、協力して創ることを強める書き方 | 企業や自治体が「協創」の字を選んで、取り組みの名前に使う |
| 協業 | 一緒に進める仕事の中身と、役割の分け方 | 商品を共同で売る、互いのサービスを組み合わせて提供する |
| オープンイノベーション | 社外の技術やアイデアを取り込んで、新しいものを生む仕組み | 社外のスタートアップや研究機関と、新しい技術を事業にする |
04 — Know-how
自動車業界でよく見られる共創の事例
共創の事例というと大企業の大きな取り組みが思い浮かびますが、自動車業界では、整備工場や販売店の日々の業務に近いところで共創が生まれています。ここでは、よく見られる組み合わせを、特定の企業の話でなく、型として紹介します。
どの型にも共通するのは、片方が持っている「お客さまとの接点」と、もう片方が持っている「サービスや技術」を組み合わせている点です。どちらか一方だけでは、お客さまに届くものになりません。
反対に、組み合わせた結果が現場の手間を増やすだけなら、どれほど良い企画でも使われなくなります。整備工場のフロントが1件ごとに別の画面を開き、同じ情報を二度打つような形になっていないかを、試す前に確かめておきます。
| 組み合わせ | 持ち寄るもの | 生まれるもの |
|---|---|---|
| 整備工場と、業界の外の生活サービスの企業 | 車検や点検で来店するお客さまとの接点と、暮らしのサービス | 来店時に案内できる提案が一つ増え、紹介に応じて工場にも収益が入る仕組み |
| 販売店と、そのお客さま | 店の業務の知識と、使う人の声 | お客さまが使いやすい予約や問い合わせの流れ |
| 部品商と、IT企業 | 取引先の工場とのつながりと、システムの技術 | 工場からの注文や在庫の確認を楽にするサービス |
| 業界の外の企業と、業界のシステム会社 | 新しい技術や商品と、業界の業務の流れの知識 | 整備工場や販売店の業務に組み込める形のサービス |
05 — Check
共創の進め方
共創は、始め方を間違えると、打ち合わせを重ねるだけで形にならないまま終わります。進める順番を先に決めておくと、両社の担当者が迷いにくくなります。
情報を出し合う前には、必要に応じて秘密保持の取り決めを結んでおきます。結び方は秘密保持契約とはで説明しています。
- 届けたい相手を決める誰のどんな困りごとを解くための共創かを、一文で書けるところまで絞ります。相手探しより先にここを決めます。
- 持ち寄るものを書き出す自社が出せるもの(お客さま、技術、販路、データ、人)と、足りないものを分けて書き出します。足りない部分が、組む相手の条件になります。
- 相手と目的をそろえる何をもって成功とするかを、数字で一つ決めます。紹介の件数、利用者の数、作業時間など、両社が同じ物差しで見られるものを選びます。
- 小さく試す一つの地域、一つの業種のお客さまに絞って試します。最初は手作業が残っていても構いません。
- 確かめてから広げる試した結果を両社で見て、続けるか、変えるか、やめるかを決めます。続けると決まった部分から、システムに置き換えていきます。
06 — More
自動車業界の共創と日本カーネット
自動車業界の外の企業が業界のお客さまと共創しようとするとき、最初の壁になりやすいのは、業界の業務の流れと言葉です。整備工場が一日のどの時間に受付をし、どの時点でお客さまに連絡するのか。販売店がどんな書類と手続きの中で車を売っているのか。ここを知らないまま始めると、良いサービスでも現場で使われにくくなります。
業界の中の企業にとっても、共創は他人事ではありません。今の事業1本の柱だけでは、時代の流れに取り残されかねません。専門外の分野を1社で一から考えるより、得意分野の違うパートナーと組むほうが、スピードと費用を抑えて新しい柱を始められます。
日本カーネットは、自動車業界向けのシステム開発を20年以上続け、業界の企業やサービスとつながってきました。企業様マッチングでは、組む相手をつなぎ、組み合わせたサービスを動かすシステムを社内でつくり、自社で運営している情報サイトやメールマガジン、販促の支援を使って業界に届けるところまで、一緒に進めます。
FAQ
共創とはのよくある質問
共創と協業はどう違いますか?
共創は、相手と一緒にまだ無い価値を生み出すことに目が向いた言葉です。協業は、一緒に進める仕事の中身や役割の分け方に目が向いた言葉です。新しいサービスを企画する段階では共創、決まったことを一緒に回す段階では協業と使う企業が多くあります。
共創と協創は同じ意味ですか?
読みは同じで、ほぼ同じ意味で使われます。協創は「協力して創る」ことを強める書き方で、企業や自治体が取り組みの名前として選ぶことがあります。
中小企業でも共創に取り組めますか?
取り組めます。中小企業は、地域のお客さまとの近さや、決める人と現場の近さを持ち寄れます。大きな構想から入るより、一つの困りごとに絞って小さく試すほうが進めやすくなります。
共創の相手はどうやって探せばよいですか?
取引先や金融機関からの紹介、商談会、マッチングのサービス、業界に詳しい企業への相談などがあります。届けたい相手と、自社が持ち寄れるものを先に言葉にしておくと、相手の条件がはっきりします。
共創で生まれた成果の権利はどうなりますか?
取り決めがなければ、後から揉める原因になります。作ったシステムや商品の権利、売上や利益の分け方、やめるときの扱いは、本格的に動き出す前に書面で決めておきます。売上を分け合う形についてはレベニューシェアとはで説明しています。
自動車業界の企業と共創したい場合、何から始めればよいですか?
届けたいお客さまと、そのお客さまの業務のどこを楽にしたいかを整理するところからです。日本カーネットでは、業界の業務の流れのご説明から、組める企業の候補探しまでご相談をお受けしています。
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Sources
出典
Co-creating unique value with customers: C.K. Prahalad introduces a novel approach to competitive advantage(Strategy & Leadership, Vol.32 No.3, 2004, Emerald):https://www.emerald.com/insight/content/doi/10.1108/sl.2004.26132cac.001/full/html
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