整備工場のピットでタブレットを確認する整備士と受付担当

トップ / コラム / SaaSとは

GUIDE / SaaSとは

SaaSとは。
IaaS、PaaSとの違いと、
自社で作るときの考え方。

既製品ではなく、御社のやり方に合わせて1から作る、自社専用のシステム(スクラッチ開発)です。

SaaSは、ソフトを買って入れる代わりに、インターネット越しにサービスとして使う形です。言葉の意味から、スクラッチ開発との使い分け、自社のSaaSを業界に届ける方法までを整理します。

SCROLL

01 — Answer

SaaSとは

SaaS(サース、Software as a Service)とは、提供する会社がインターネットの向こう側で動かしているソフトウェアを、利用者がブラウザやアプリから使う形のサービスです。米国国立標準技術研究所(NIST)が2011年9月に公表したクラウドの定義(SP 800-145、情報処理推進機構の日本語訳あり)では、SaaSの利用者はネットワーク、サーバー、OS、ストレージ、アプリケーションの機能そのものを管理せず、管理できるのは利用者ごとの設定に限られる、と整理されています。総務省の平成30年版情報通信白書も、SaaSを業務アプリケーションなどの機能をネットワーク経由で提供するサービスとして説明しています。手元のパソコンにソフトを入れて使う形と比べると、申し込めばすぐ使える代わりに、機能の中身は提供する会社が決める、という性格を持ちます。

02 — Point

SaaS、PaaS、IaaSの違い

クラウドのサービスは、提供する会社がどこまでを引き受けるかで三つに分けられます。NISTの定義に沿って、利用者が自分で管理する範囲を比べると違いがはっきりします。

IaaSは、サーバーやストレージ、ネットワークといった土台だけを借りる形です。OSやアプリケーションは利用者が入れて管理します。PaaSは、プログラムを動かす環境まで用意してもらい、利用者は自分で作ったアプリケーションを載せます。SaaSは、アプリケーションまで出来上がった状態で使う形で、利用者が触れるのは設定の範囲です。

システムを作る側から見ると、IaaSやPaaSは「作ったシステムを置く場所」、SaaSは「出来上がったサービスそのもの」に当たります。自社でSaaSを作って提供する会社は、裏側でIaaSやPaaSを使っていることが多く、三つは対立するものというより、重ねて使うものです。

種類提供されるもの利用者が管理するもの
IaaSサーバー、ストレージ、ネットワークなどの土台OS、ミドルウェア、アプリケーション、データ
PaaS土台に加え、プログラムを動かす環境やデータベース自分で作ったアプリケーションとデータ
SaaS出来上がったアプリケーション利用者ごとの設定と、入力したデータ

03 — Detail

SaaSのメリットとデメリット

SaaSの良さは、始めるまでの手間の少なさにあります。サーバーを用意したり、ソフトを入れたりする必要がなく、アカウントを作ればその日から使えます。更新も提供する会社が行うので、法令の改正に合わせた画面の変更なども自動で反映されます。パソコンだけでなく、タブレットやスマートフォンから同じデータを見られるサービスも多くあります。

一方で、自社だけの決まりに合わせて機能を足すことは、基本的にできません。整備工場で「リフトの空きと整備士の得意な作業を見ながら予約を組む」といった独自の流れは、SaaSの画面に合わせて運用を変えるか、別の仕組みで補うことになります。サービスの内容や利用条件が提供する会社の判断で変わることもあり、提供が終われば乗り換えが要ります。

データの置き場所が社外になる点も、事前に確かめておきたいところです。総務省が2021年9月に公表した「クラウドサービス提供における情報セキュリティ対策ガイドライン(第3版)」では、SaaS、PaaS、IaaSそれぞれで提供する側と利用する側の責任をどう分けるかという観点が加えられました。SaaSを選ぶときは、データを書き出せるか、解約したときにデータがどうなるかを、契約の前に読んでおくと安心です。

  • メリットすぐ使い始められる。サーバーの管理が要らない。更新や法令対応を提供する会社が行う。
  • デメリット自社だけの流れには合わせにくい。仕様や条件の変更は提供する会社が決める。データが社外に置かれる。

04 — Know-how

SaaSとスクラッチ開発の使い分け

迷ったときは、自社の仕事が「業界でよくある流れ」にどれだけ近いかで考えます。勤怠や会計、メールのように、どの会社でもやり方がほぼ同じ仕事はSaaSがよく合います。整備の受付から作業指示、請求、車検の案内までが自社独自の順番で回っている場合や、既存のソフトと細かくつなぎたい場合は、自社専用に作るスクラッチ開発が候補になります。

両方を組み合わせる会社もあります。会計や勤怠はSaaSを使い、整備や車両の管理のように自社の強みに関わる部分だけを1から作る、という分け方です。この場合は、SaaSが用意しているデータの書き出しや接続の仕組みを確かめ、自社専用のシステムとつなぐ設計にします。

日本カーネットは、パッケージの整備システム・整備ソフト DREAM POWERとは別に、自社専用のシステムを1から作るスクラッチ開発も行っています。得意なのは、Windowsアプリとブラウザで動くWebシステムです。どちらの形がよいかは、使う場所や台数、つなぐソフトを伺ってから一緒に決めます。

05 — Check

自社のSaaSを作り、自動車業界に提供する場合

SaaSは使う側だけのものではありません。自社の業務で磨いてきた仕組みを、同じ悩みを持つ業界の会社にサービスとして使ってもらう、という事業の作り方もあります。整備工場向けの予約受付、販売店向けの在庫の掲載、部品商向けの受発注など、業界の中で共通する困りごとは少なくありません。

日本カーネット自身も、ホームページ作成のCAR-X-WEB、地元の販売店の中古車を探せるカージモ(ベータ版)、タイヤ預かりのTIRAGE、ブラウザで使える無料ツールのはねつーるといったサービスを、自社で作って運営しています。作るだけでなく、利用者を集め、問い合わせに答え、改良を続けるところまでが、サービスの仕事だと考えています。

今は多くの企業にとって変わり目の時期です。事業の柱が1本だけでは、市場や技術の変化に対応しきれなくなるおそれがあります。新しい柱としてSaaSを始めるときも、異業種や専門外の分野を1社だけで考えるより、業界を知るパートナーやアライアンス企業と共同するほうが、スピードと費用を抑えて始められます。日本カーネットは、自動車業界で20年以上つながってきた企業やサービスと御社をつなぐビジネスマッチング・共創も行っています。

最初から全部の機能をそろえる必要はありません。一番大事な機能だけで小さく出し、使ってもらいながら広げる進め方は、MVP開発のコラムで説明しています。

FAQ

SaaSとはのよくある質問

SaaSとクラウドは同じ意味ですか?

SaaSはクラウドのサービスの一種です。NISTの定義では、クラウドのサービスをSaaS、PaaS、IaaSの三つに分けています。SaaSは、その中でアプリケーションまで出来上がった状態で提供される形を指します。

ASPとSaaSは違うものですか?

どちらも、ネットワーク越しにアプリケーションを使う形を指す言葉です。総務省の指針でも「ASP・SaaS」とまとめて扱われています。

SaaSを自社用に作り変えられますか?

SaaSは多くの会社が同じものを使う前提のため、自社だけに合わせた変更は難しいのが普通です。自社の流れに合わせたい部分は、スクラッチ開発で自社専用に作り、SaaSとつなぐ方法があります。

自社で作ったシステムを、ほかの会社にも使ってもらえますか?

最初から複数の会社が使う前提で設計すれば、サービスとして提供できます。会社ごとにデータを分ける仕組みや、契約と請求の管理などが加わるので、企画の段階で伝えてください。

自動車業界の経験がなくても、業界向けのSaaSを作れますか?

業界の業務の流れや制度は、日本カーネットが打ち合わせで説明します。届けたい相手や組み合わせたいサービスが決まっていない段階でも、ビジネスマッチング・共創のご相談として承ります。

費用や期間の目安は分かりますか?

機能の数や使う会社の数、つなぐサービスで大きく変わるため、目安はお出ししていません。打ち合わせの内容をもとにご提案とお見積りをします。

Related

あわせて読みたい

Sources

出典

情報処理推進機構 NISTによるクラウドコンピューティングの定義(SP 800-145 日本語訳):https://www.ipa.go.jp/security/reports/oversea/nist/ug65p90000019cp4-att/begoj9000000buyd.pdf
NIST SP 800-145 The NIST Definition of Cloud Computing:https://csrc.nist.gov/pubs/sp/800/145/final
総務省 平成30年版 情報通信白書 クラウドサービスの概要:https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h30/html/nd133210.html
総務省 クラウドサービス提供における情報セキュリティ対策ガイドライン(第3版)の公表(2021年9月30日):https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01cyber01_02000001_00121.html
総務省 AIを用いたクラウドサービスの安全・信頼性に係る情報開示指針(ASP・SaaS編)の追加:https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01ryutsu06_02000306.html

DIAGNOSIS

迷ったら、欲しいシステム診断

何を作りたいか、まだ言葉にできていなくても大丈夫です。8つの質問に答えると、合いそうなシステムと相談用の要望メモができあがります。

CONTACT

使うSaaSも、
提供するSaaSも、
相談から。

既製のサービスで足りるのか、自社で作るべきか、業界にサービスとして届けたいのか。今のお考えを聞かせてください。

電話受付:平日 9:00〜12:00/13:00〜18:00