
GUIDE / MVP開発
MVP開発とは。
小さく作って、
確かめながら育てる。
既製品ではなく、御社のやり方に合わせて1から作る、自社専用のシステム(スクラッチ開発)です。
新しいサービスを最初から完成させようとすると、作ってから「使われない」と分かることがあります。MVP開発は、それを早い段階で確かめるための進め方です。
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01 — Answer
MVP開発とは
MVP開発とは、新しいサービスを、利用者に価値が伝わる最小限の機能だけで作って早めに使ってもらい、その反応から次に作るものを決めていく開発の進め方です。MVPは「Minimum Viable Product」の略で、日本語では「実用最小限の製品」などと訳されます。この考え方を広めた起業家のエリック・リース氏は、2009年8月のブログで、MVPを「最小の労力で、顧客について最大の検証済みの学びを得られる、新しい製品の版」と定義しています。大事なのは「小さいこと」より「確かめられること」です。手を抜いた試作品とは違い、利用者が実際に使って、お金や時間を払う価値があるかどうかを判断できるものでなければなりません。
02 — Point
MVP開発の作り方の手順
MVP開発は、作る前の整理に時間を使います。何を確かめたいのかが決まらないまま作り始めると、小さく作っても学びが得られません。次の順に進めます。
手順の中で一番迷うのは、2番目の「確かめたいことを一つに絞る」です。「整備工場は、車検の予約をスマートフォンから受けたいと思っているか」のように、はいかいいえで答えが出る形に言い直すと、作るものが自然に決まります。
- 困りごとと相手を決める誰の、どんな困りごとを解決するサービスなのかを一文で書きます。
- 確かめたいことを一つに絞るこのサービスが成り立つために、一番当たっていてほしい予想を選びます。
- 確かめるのに要る機能だけを選ぶその予想を確かめるのに無くては困る機能だけを残します。
- 作って使ってもらう少数の利用者に実際の業務で使ってもらいます。
- 数字と声を集めて決める使われ方を見て、続ける、直す、方向を変える、のどれにするかを決めます。
03 — Detail
MVPで何を削るか
削るときの基準は、「最初の利用者が、それが無いと使うのをやめるか」です。やめないなら、後回しにできます。
たとえば、整備工場向けの予約受付サービスを始めるとします。最初の版に要るのは、お客さまが空いている日時を選んで予約できる画面と、工場がその予約を見られる一覧です。売上の集計、複数店舗の切り替え、細かい権限の設定、きれいなグラフは、使う工場が増えてからで間に合います。
反対に、削ってはいけないものもあります。入力したデータが消えない仕組み、ログインと通信の安全、お客さまの個人情報の扱いは、最初の版から必要です。ここを削ると、検証の前に信用を失います。
| 最初の版に入れるもの | 後回しにできるもの |
|---|---|
| サービスの中心になる一つの機能 | 便利だが無くても使える機能 |
| データの保存と、ログインと通信の安全 | 見た目の作り込みやグラフ |
| 使われ方が分かる記録 | 細かい権限や複数店舗の切り替え |
| 問い合わせを受ける窓口 | 自動化された請求や集計 |
04 — Know-how
MVPの検証のしかた
検証では、使った人の感想より、実際の行動を見ます。「良さそう」と言った人が使い続けるとは限らないからです。予約受付のサービスなら、登録した工場のうち何社が実際に予約を受けたか、2回目以降も使っているか、どの画面で手が止まっているかを記録から確かめます。
数字と一緒に、使っている人の声も聞きます。使わなくなった人には、理由を短く聞きます。答えは画面の使いにくさのこともあれば、そもそも困っていなかったということもあります。
結果が予想と違っても、失敗とは限りません。分かったことをもとに、機能を直すのか、届ける相手を変えるのか、別の困りごとに向けるのかを決めます。この「作る、測る、学ぶ」をくり返すことが、MVP開発の中身です。
検証を始める前に、どの数字がどこまで行けば次へ進むかを決めておくと、判断がぶれません。
05 — Check
新規事業や業界向けサービスの立ち上げでの使い方
今は多くの企業にとって変わり目の時期で、事業の柱が1本だけでは、時代の変化に対応しきれなくなるおそれがあります。新しい柱を作るときにMVP開発が向いているのは、大きく作る前に、市場の答えを小さく確かめられるからです。
ただ、異業種や専門外の分野では、確かめる以前に、業界の商習慣や制度、最初の利用者に出会う道を知らないことが壁になります。この壁を1社だけで越えようとするより、その業界を知るパートナーやアライアンス企業と共同で取り組むほうが、早く、費用も抑えて検証を始められます。日本カーネットは、自動車業界で20年以上つながってきた企業、サービス、データと御社をつなぎ、サービスを動かすシステムを自社専用に1から作るビジネスマッチング・共創を行っています。
日本カーネット自身も、カージモのように、ベータ版として公開しながら育てているサービスがあります。作って終わりにせず、使われ方を見て直していく進め方を、自社の運営で続けてきました。
06 — More
MVP開発でよくあるつまずき
MVP開発は考え方が分かりやすい分、進め方を誤ると「小さく作っただけ」で終わります。よくあるつまずきを三つ挙げます。どれも、作り始める前の打ち合わせで防げるものです。
- 削りすぎて価値が伝わらない機能を減らしすぎると、使った人が「これなら今のやり方でよい」と感じてしまいます。困りごとが一つ解決したと実感できるところまでは作ります。
- 確かめる前に機能を足す使い始めた人の要望に一つずつ応えていると、何を確かめていたのかが分からなくなります。要望は記録しておき、検証が終わってから優先順位を付けます。
- 作り直しの利かない作りにする急いで作った部分が土台になると、育てる段階で全部を作り直すことになります。小さく作っても、データの持ち方と画面の分け方は後から広げられる形にしておきます。
FAQ
MVP開発とはのよくある質問
MVPとプロトタイプは何が違いますか?
プロトタイプは、画面の形や操作の流れを確かめるための試作で、実際の業務で使えるとは限りません。MVPは、利用者が実際に使って価値を判断できる最小限の製品です。
MVPで作ったシステムは、そのまま本番に使えますか?
使い続ける前提で作ることもできます。後から機能を足しやすいように、データの持ち方や画面の分け方を最初に設計しておきます。
何社くらいに使ってもらえば検証になりますか?
確かめたいことによって変わります。業務で毎日使うサービスなら、少数の会社に深く使ってもらうほうが分かることが多い場合もあります。打ち合わせで一緒に決めます。
最初の利用者が見つかりません。
自動車業界向けのサービスであれば、日本カーネットのビジネスマッチング・共創のご相談として、組み合わせられる企業やサービス、届け方を一緒に考えます。
業界向けのサービスでも、MVPから始められますか?
始められます。業務で使うサービスは、最初の利用者の仕事の流れに合っていることが大事なので、一社か数社の協力を得て、実際の業務で試してもらう進め方が向いています。
MVP開発の費用や期間の目安はありますか?
確かめたいことと残す機能の数で大きく変わるため、目安はお出ししていません。打ち合わせで機能を絞り込んだうえでお見積りします。
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Sources
出典
Eric Ries, Startup Lessons Learned: Minimum Viable Product: a guide(2009年8月3日):https://www.startuplessonslearned.com/2009/08/minimum-viable-product-guide.html
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